福岡市中央区・大濠公園内に佇む「大濠公園能楽堂」の公式ウェブサイトリニューアルを企画・制作しました。本プロジェクトでは、伝統芸能の魅力を伝えるだけでなく、能楽堂という文化施設が持つ多様な可能性を、より多くの人に届けることを目的としました。

能や狂言などの伝統芸能だけでなく、コンサートやアコースティックライブその他のイベントなど、幅広い用途での施設利用を促進するため、カテゴリ別に過去の利用実績を紹介できる構成としました。これは、“能楽堂＝伝統芸能専用ホール”という枠を越え、能楽堂の新たな可能性や利用スタイルの多様性を広げる意図に沿った設計です。

また、その他の特徴的な要素のひとつとして、館内の見え方を来場前に確認できるMatterport（3Dバーチャルツアー）の導入があります。これは、館内を360度自由に見渡せるだけでなく、各客席から舞台がどのように見えるかをオンライン上で確認できるというもので、特に能や狂言を鑑賞される方々に多い「席からの見え方へのこだわり」に応える設計です。これまで電話越しでは伝えきれなかった舞台の見え方に関する問い合わせに対し、視覚的な理解を促すことで、事前の不安を解消し、問い合わせの削減にもつながりました。

静謐な舞台空間の魅力をそのままに、誰もが使いやすく、訪れやすい文化拠点としての情報発信を、ウェブの側面から支援した事例です。